恋と仕事 兵法三十六計 勝戦計5 趁火打劫を知る
兵法三十六計とは
中国の兵法書。
状況に応じた戦術を6つのバージョンに分け
勝戦計 : 自分が戦いの主導権を完全に握っている状況
敵戦計 : 自分が余裕を持って戦いを優勢に進められる状況
攻戦計 : 敵と五分五分か手ごわい状況
混戦計 : 敵が余裕を持って戦いを優勢に進められる状況
併戦計 : 戦いを進めながら外交努力も必要となる状況
敗戦計 : 敵が戦いの主導権を完全に握っている状況
各計ごとに6つの策があげられている。
勝戦計 第五計 趁火打劫
読み方
ちんかだこう(きょう)
書き下し文
火に趁(つけこ)んで劫(おしこみ)を打(はたら)く
内容
故事
越王勾践は呉に降伏した後、呉王夫差に仕えながらも復讐の機会を伺い続けました。その後、呉国内での混乱と諸侯会議で夫差が不在となった機会を見逃さず、勾践は大軍を率いて呉を攻撃、呉の太子友を討ち取りました。結果、呉は越に滅ぼされ、夫差は自決しました。
他にも
中国において戦国の時代、斉が韓と同盟を組み燕を攻めようとしたが、趙と楚に妨害された。その後、秦と魏が韓に攻め入った。それを知った斉王は韓に援軍を出そうとしたが、家臣の田忌がそれを止めて、趙や楚が韓を助けるだろうから傍観するように進言した。進言通り、趙や楚は韓に援軍を出し、秦、魏、趙、楚、韓の間で戦争になった。この機に乗じて斉は単独で燕を攻め、他国の妨害がないまま30日で燕を攻略した。
戦術的な意味
趁火打劫 は火災や混乱といった相手の危機的な状況を利用して略奪や攻撃を行う 火事場泥棒的な戦術です。
現代ビジネスでは
1. M&A(企業買収)
競合他社が経営難に陥っている時に、その企業を買収して市場シェアを拡大する戦略です。例えば、リーマンショック後に多くの企業が財務的に困難な状況に陥った際、大手企業がこれらの企業を買収して成長を加速させました。
2. 新規市場参入
市場が混乱している時に、新規市場に参入して競争優位を確立する戦略です。例えば、自然災害や政治的不安定が原因で市場が混乱している地域に、他の企業が撤退する中で新規参入することで、早期に市場シェアを獲得できます。
3. 技術革新とデジタルトランスフォーメーション
既存の企業が新しい技術やビジネスモデルに対応できない間に、迅速に技術革新を進めることで市場での優位性を確立する戦略です。例えば、デジタルトランスフォーメーションを迅速に進めた企業が、従来のビジネスモデルに固執する競合他社を凌駕するケースがあります。
4. 価格戦略
競合他社が価格競争に陥っている時に、品質やサービスで差別化を図り、顧客の信頼を獲得する戦略です。価格競争で疲弊した競合他社に対して、付加価値の高いサービスを提供することで、長期的な顧客関係を築くことができます。
5. ブランド強化
市場が混乱している時に、ブランドの信頼性を強化することで顧客の信頼を獲得する戦略です。例えば、経済危機の際に広告やマーケティングを強化し、ブランドの信頼性を高めることで、競合他社が撤退する中で市場シェアを拡大することができます。
6. 競合他社の弱点を突く
競合他社が内部問題や市場の変動で混乱している時に、その隙を突いて市場シェアを拡大する戦略です。例えば、競合他社がリストラや製品リコールなどの問題に直面している時に、自社の製品やサービスを強化して顧客を獲得します。
7. 市場の変動を利用する
経済危機や自然災害などで市場が混乱している時に、新しい市場に参入したり、既存の市場でのシェアを拡大する戦略です。例えば、リーマンショック後に多くの企業が撤退した市場に、新規参入して成功した企業もあります。
8. 技術革新を活用する
技術の進歩や新しいビジネスモデルの登場により、既存の企業が対応に苦慮している間に、新しい技術やビジネスモデルを取り入れて市場での優位性を確立する戦略です。例えば、デジタルトランスフォーメーションを迅速に進めた企業が、従来のビジネスモデルに固執する競合他社を凌駕するケースです。
9. 競合の価格競争を利用する
競合他社が価格競争に陥っている時に、品質やサービスで差別化を図り、顧客の信頼を獲得する戦略です。価格競争で疲弊した競合他社に対して、付加価値の高いサービスを提供することで、長期的な顧客関係を築くことができます。
恋愛への応用
1. 相手の弱点を見逃さない
相手が困っている時に、その弱点を見逃さずに助けることで、信頼関係を築けます。例えば、相手が勉強や部活でストレスを感じている時に、励ましたり手伝ったりすることで、好意を得ることができます。
2. タイミングを見計らう
相手が恋愛で失敗したり、心が傷ついている時に、そのタイミングを見計らってアプローチすることで、相手の心を開かせることができます。例えば、失恋直後の相手に優しく接することで、新しい関係を築くチャンスを得ることができます。
3. 共通の敵を利用する
共通の問題や敵に対して協力することで、絆を深めることができます。例えば、学校での共通の課題に一緒に取り組むことで、自然と親密な関係を築くことができます。
4. 自分の強みを活かす
相手が困っている時に、自分の得意なことを活かして助けることで、相手にとって特別な存在になることができます。例えば、相手が技術的な問題に直面している時に、自分の知識を活かして解決策を提供することができます。
5. 相手のニーズを先読みする
相手が何を必要としているかを先読みし、そのニーズに応えることで、頼りになる存在になれます。例えば、相手が忙しい時に食事を用意したり、必要な情報を提供することで、感謝されることが多いです。
6. 感情的なサポートを提供する
相手が感情的に不安定な時に、寄り添って話を聞くことで、信頼関係を深めることができます。例えば、相手が悩みを抱えている時に、ただ話を聞いて共感するだけでも大きな支えになります。
このように、「趁火打劫」の戦略は、恋愛においても相手の状況を見極めて適切にアプローチすることで、関係を深めるための有効な手段となります。