恋と仕事 兵法三十六計 勝戦計2 囲魏救趙を知る
兵法三十六計とは
中国の兵法書。
状況に応じた戦術を6つのバージョンに分け
勝戦計 : 自分が戦いの主導権を完全に握っている状況
敵戦計 : 自分が余裕を持って戦いを優勢に進められる状況
攻戦計 : 敵と五分五分か手ごわい状況
混戦計 : 敵が余裕を持って戦いを優勢に進められる状況
併戦計 : 戦いを進めながら外交努力も必要となる状況
敗戦計 : 敵が戦いの主導権を完全に握っている状況
各計ごとに6つの策があげられている。
勝戦計 第二計 囲魏救趙
読み方
いぎきゅうちょう
書き下し文
魏を囲んで趙を救う
内容
故事
古代中国の魏という国が趙という国と戦った。趙は魏に追い詰められ、ついに魏に都を包囲された。そこで趙は同盟国の斉という国に援軍を求めた。斉の王は武将田忌を救援のため趙にむかわせようとした。だが、斉の武将孫臏は趙に向かおうとする武将田忌にこう言った。「絡まった糸を解くときには無理に引っ張らないほうが良い。闘いから救おうとするなら直接加わってはいけない。要所を突き、虚を突いて、形勢を崩してやれば、糸はおのずから解けていくものだ」と。
孫臏は魏本国を攻めその都を包囲することで、魏を趙から撤退させ、引き返して来た魏の軍をで大破して趙を救った。
戦術的な意味
囲魏救趙は 敵を分散させ、弱点を突く戦術です。
現代ビジネスでは
競争戦略
競合他社の弱点を突く
直接競争するのではなく、競合他社の弱点や隙を見つけてそこを攻撃することで、間接的に自社の優位性を確保します。例えば、競合が特定の市場に集中している場合、その市場以外のニッチ市場を攻めることで、競争を避けつつシェアを拡大することができます。
資源の最適化
リソースの効率的な配分
限られたリソースを最も効果的に使うために、直接的な対決を避け、間接的な方法で目標を達成します。例えば、マーケティング予算が限られている場合、競合が強いメディアではなく、ターゲット層が多く集まるニッチなメディアに広告を出すことで、コストを抑えつつ効果を最大化します。
危機管理
リスクの分散
一箇所にリスクを集中させるのではなく、リスクを分散させることで、全体の安定性を保ちます。例えば、サプライチェーンの一部が問題を抱えた場合、他の供給元を確保しておくことで、全体の運営に大きな影響を与えずに問題を解決できます。
市場拡大戦略
新市場への進出
競合が強い既存市場で直接対決するのではなく、新しい市場や地域に進出することで、競争を避けつつ成長を図ります。例えば、ある企業が国内市場で競争が激化している場合、海外市場に進出して新たな顧客層を開拓することが考えられます。
製品開発
差別化戦略
競合製品と直接競争するのではなく、独自の特徴や価値を持つ製品を開発することで、競争を回避します。例えば、スマートフォン市場で競争が激しい中、特定の機能やデザインに特化した製品を開発することで、ニッチな市場をターゲットにすることができます。
人材管理
人材の育成と配置
優秀な人材を競合から引き抜くのではなく、社内での育成や適材適所の配置を行うことで、組織全体のパフォーマンスを向上させます。例えば、特定のプロジェクトに対して最適なスキルを持つ人材を配置することで、効率的に目標を達成することができます。
顧客対応
顧客の不満を解消する
直接的に問題を解決するのではなく、根本的な原因を探り、間接的に解決策を提供します。例えば、顧客が特定の製品に不満を持っている場合、その製品の改良だけでなく、関連するサービスやサポート体制を強化することで、全体的な顧客満足度を向上させることができます。
企業文化の改革
組織の風土を変える
直接的な指示や命令ではなく、社員の意識や行動を変えるための環境を整えることで、自然と望ましい行動を引き出します。例えば、オープンなコミュニケーションを促進するために、定期的なフィードバックセッションやチームビルディング活動を導入することが考えられます。
競争優位の確立技術革新を活用する
競合他社が既存の技術に依存している場合、新しい技術や方法を導入することで、競争優位を確立します。例えば、製造業において、最新の自動化技術を導入することで、生産効率を大幅に向上させることができます。
恋愛への応用
間接的なアプローチ
ライバルを避ける
直接的にライバルと競争するのではなく、間接的にアプローチすることで、相手の注意を引くことができます。例えば、好きな人が他の人と親しくしている場合、その人に直接アプローチするのではなく、共通の友人を通じて自分の魅力をアピールする方法があります。
自分の価値を高める
自己改善
相手に直接アプローチする前に、自分自身を磨くことで、自然と相手の関心を引くことができます。例えば、新しい趣味を始めたり、スキルを身につけたりすることで、自分の魅力を高めることができます。
間接的なサポートサポート役に回る
直接的に相手にアプローチするのではなく、相手が困っているときに間接的にサポートすることで、好感度を上げることができます。例えば、相手がプロジェクトで困っているときに、さりげなく助けることで、信頼関係を築くことができます。
外堀からの戦略でもあるね。