恋と仕事 兵法三十六計 勝戦計4 以逸待労を知る
兵法三十六計とは
中国の兵法書。
状況に応じた戦術を6つのバージョンに分け
勝戦計 : 自分が戦いの主導権を完全に握っている状況
敵戦計 : 自分が余裕を持って戦いを優勢に進められる状況
攻戦計 : 敵と五分五分か手ごわい状況
混戦計 : 敵が余裕を持って戦いを優勢に進められる状況
併戦計 : 戦いを進めながら外交努力も必要となる状況
敗戦計 : 敵が戦いの主導権を完全に握っている状況
各計ごとに6つの策があげられている。
勝戦計4 以逸待労
読み方
いいつたいろう
書き下し文
逸を以て労を待つ
内容
故事
唐の李世民は洛陽を拠点とする王世充を討伐するために出兵しました。王世充は窮地に陥り夏の国に救援を求めると夏の竇建徳は10万の大軍を率いて洛陽に向かいました。
李世民は自軍を休養させながら洛陽を包囲、竇建徳の軍が長旅で疲労するのを待ちました。
竇建徳の軍が洛陽に到着すると、李世民は虎牢関に進軍し、長い行軍で疲労していた竇建徳の軍を撃破、竇建徳は捕虜となり、王世充も降伏しました。
戦術的な意味
以逸待労 は自身が積極的に攻撃を仕掛けずに敵の疲弊を待つことで、有利なタイミングで反撃するという戦略です。この戦術は、自身が不利な状況であっても冷静に待機し、敵が自然と劣勢に立たされる状況を作り出すことで、有利な戦局を築くことを目指します。
現代ビジネスでは
1. 製品開発と市場投入
競合他社が新製品を市場に投入するタイミングを見計らい、その製品の評価や市場の反応を観察します。競合がフィードバックを受けて改良を重ねる間、自社はそのデータを活用し、より優れた製品を開発して最適なタイミングで市場に投入します。
2. 人材採用
新しいプロジェクトや事業拡大を計画している際、競合他社が大規模な採用活動を行っている場合があります。この時、自社は一時的に採用活動を控え、競合がリソースを使い果たすのを待ちます。その後、競合が採用活動を終了したタイミングで、自社が採用活動を再開し、優秀な人材を効率的に確保します。
3. サプライチェーン管理
競合他社が特定の供給元に依存している場合、その供給元が一時的に供給能力を超える注文を受けることがあります。この状況を見極め、自社は別の供給元を確保するか、供給元が安定するのを待ってから注文を行い、安定した供給を確保しつつコストを抑えます。
4. マーケティングキャンペーン
競合他社が大規模なマーケティングキャンペーンを展開している間、その効果を観察します。競合がキャンペーンを終了した後に自社のキャンペーンを開始し、競合のキャンペーンによって活性化された市場で自社の製品やサービスを効果的にプロモーションします。
5. 競合他社の動向を見極める
競合他社が新製品の開発や市場拡大に多大なリソースを投入している場合、その動向を観察し、競合が疲弊するのを待ちます。競合がリソースを使い果たしたタイミングで、自社が効率的に市場に参入し、より少ないコストで大きな成果を上げます。
6. プロジェクト管理
大規模なプロジェクトでは、チームメンバーが疲労しないように適切な休息を取り入れることが重要です。プロジェクトの進行状況を見極め、ピーク時に備えてエネルギーを温存し、最も重要なタイミングで最大のパフォーマンスを発揮します。
7. 交渉戦略
ビジネス交渉においても、「以逸待労」の戦略は有効です。相手が焦っている状況や疲れているタイミングを見計らって交渉を進め、有利な条件を引き出します。例えば、相手が締め切りに追われている場合、そのプレッシャーを利用して自社に有利な条件を提示します。
恋愛への応用
「以逸待労」の戦略は、恋愛においても応用できます。
以下に具体例を挙げます
1. 相手のペースに合わせる
相手が忙しい時期やストレスを感じている時には、無理にアプローチせず、相手が落ち着くのを待ちます。相手がリラックスしているタイミングでアプローチすることで、より良い反応を得られます。
2. 自分を磨く
相手が忙しい間、自分自身を磨く時間として活用します。新しい趣味を始めたり、スキルを向上させたりすることで、自分の魅力を高めます。相手が再び時間を持てるようになった時に、より魅力的な自分を見せることができます。
3. 相手の気持ちを観察する
相手の気持ちや行動を観察し、相手がどのような状況にあるかを見極めます。相手が疲れている時やストレスを感じている時には、無理に関係を進展させようとせず、相手のペースに合わせることで、関係を良好に保つことができます。
4. タイミングを見計らう
告白やデートの誘いなど、重要なアクションを起こすタイミングを見計らいます。相手がリラックスしている時や、良い気分の時にアプローチすることで、成功の確率が高まります。
5. 相手の疲れを癒す
相手が疲れている時には、無理に会おうとせず、相手の疲れを癒すためのサポートを提供します。例えば、リラックスできる場所に誘ったり、相手の好きなものをプレゼントしたりすることで、相手にとっての癒しの存在となることができます。
6. 相手の興味を引く
相手が忙しい時期やストレスを感じている時には、無理にアプローチせず、相手が落ち着くのを待ちます。その間に、自分の趣味や特技をSNSなどで発信し、相手の興味を引くようにします。相手が時間を持てるようになった時に、自然と話題ができ、関係を深めるきっかけになります。
7. サプライズを準備する
相手が忙しい間に、相手が喜ぶようなサプライズを準備します。例えば、相手の好きなものをリサーチしてプレゼントを用意したり、特別なデートプランを考えたりします。相手が落ち着いたタイミングでサプライズを実行することで、相手にとって特別な存在となることができます。
8. コミュニケーションのタイミングを見計らう
相手が疲れている時や忙しい時には、無理に連絡を取らず、相手がリラックスしているタイミングを見計らって連絡を取ります。例えば、週末や相手が休暇を取っている時など、相手が余裕を持っている時に連絡を取ることで、より良いコミュニケーションが取れます。
9. 相手のサポート役になる
相手が忙しい時期には、無理に会おうとせず、相手のサポート役に徹します。例えば、相手が仕事で忙しい時には、励ましのメッセージを送ったり、相手の好きな食べ物を差し入れたりします。相手が感謝の気持ちを持つことで、関係が深まります。
10. 自分の時間を充実させる
相手が忙しい間、自分自身の時間を充実させることも重要です。新しい趣味を始めたり、友人と過ごしたりすることで、自分の生活を豊かにします。相手が時間を持てるようになった時に、充実した自分を見せることで、相手にとって魅力的な存在となります。
これらの方法を活用することで、恋愛においても「以逸待労」の戦略を効果的に取り入れることができます。