恋と仕事 兵法三十六計 敵戦計3 隔岸観火を知る
兵法三十六計とは
中国の兵法書。
状況に応じた戦術を6つのバージョンに分け
勝戦計 : 自分が戦いの主導権を完全に握っている状況
敵戦計 : 自分が余裕を持って戦いを優勢に進められる状況
攻戦計 : 敵と五分五分か手ごわい状況
混戦計 : 敵が余裕を持って戦いを優勢に進められる状況
併戦計 : 戦いを進めながら外交努力も必要となる状況
敗戦計 : 敵が戦いの主導権を完全に握っている状況
各計ごとに6つの策があげられている。
隔岸観火
読み方
かくがんかんか
書き下し文
岸を隔(へだ)てて火を観る。
内容
故事
三国時代、曹操が袁尚と袁煕に対してこの戦術を用いたことが知られています。袁尚と袁煕が曹操に敗れて東の公孫康の下に逃げ込んだ際、曹操はすぐに攻撃せず、しばらく放置しました。その結果、袁尚と袁煕の内部で争いが起こり、最終的に自滅しました。
「隔岸観火」の語源は『呉子』に由来します。
呉子は、敵が内部で争いを始めたときに、こちらから攻撃せずにそのまま放置し、敵が自滅するのを待つ戦術を提唱しました。
戦術的な意味
隔岸観火 は敵の内部崩壊を待つことで自らのリスクを最小限に抑える戦術です。
「対岸の火事」と同じ意味を持ち、他人の災難をただ見物することを表します。
現代のビジネスでは
1. 競合他社の内部問題を静観する
競合他社が内部で問題を抱えている場合、積極的に攻撃するのではなく、静観することで自滅を待つ戦略です。例えば、競合他社がリーダーシップの交代や組織再編で混乱しているときに、自社はその間に市場シェアを拡大する準備を進めることができます。
2. 市場の動向を見極める
新しい市場に参入する際、まずは市場の動向を観察し、他社が失敗するのを待つことで、リスクを最小限に抑えた参入を図ることができます。例えば、新技術の導入において、他社が試行錯誤している間に、自社はその技術の成熟を待ってから参入することができます。
3. 競合の製品リリースを待つ
競合他社が新製品をリリースする際、その製品の市場での反応を観察し、問題点や改善点を見極めた上で、自社の製品を改良してリリースすることができます。これにより、競合他社の失敗を利用して自社の製品をより優れたものにすることができます。
4. 業界の規制変化を見守る
業界の規制が変わる際、他社が新しい規制に対応するために混乱している間に、自社はその規制に対する最適な対応策を準備することができます。これにより、規制変更後に迅速に対応し、競合他社に対して優位に立つことができます。
5. 競合の戦略を分析する
競合他社が新しい戦略を打ち出した際、その戦略の効果を観察し、成功するか失敗するかを見極めることができます。競合他社の戦略が失敗した場合、その失敗から学び、自社の戦略に反映させることができます。
ある市場で価格競争が激化している場合、すぐに参入せずに静観することで、他社が価格競争で疲弊するのを待つことができます。その間に、自社は価格以外の付加価値を提供する戦略を練り、競争が落ち着いた後に参入することで優位に立つことができます。
このように、「隔岸観火」の戦術は、競合他社の動向を静観し、リスクを最小限に抑えつつ、自社の戦略を最適化するために有効に活用できます。
恋愛への応用
1. ライバルの動向を静観する
好きな相手に他のライバルがいる場合、そのライバルが自滅するのを待つ戦術です。例えば、ライバルが相手に対して過剰にアプローチしている場合、その行動が逆効果になるのを静観し、自分は冷静に対応することで好印象を与えることができます。
2. 相手の感情の変化を見守る
相手が他の人との関係で悩んでいる場合、無理に介入せずに静観することで、相手が自分の気持ちに気づくのを待つことができます。相手がその関係から距離を置くようになったときに、自然にサポートすることで信頼を得ることができます。
3. 相手の行動を観察する
相手が自分に対してどのような感情を持っているかを観察し、相手が自分に対して好意を持っているかどうかを見極めることができます。相手が他の人と関係を持っている場合、その関係が自然に終わるのを待つことで、自分がアプローチするタイミングを見計らうことができます。
4. 自分の感情を隠す
自分の感情をすぐに表に出さず、相手の反応を見守ることで、相手が自分に対してどのような感情を持っているかを見極めることができます。相手が自分に対して好意を持っていると確信したときに、初めて自分の感情を伝えることで、成功の確率を高めることができます。
5. 相手の問題を静観する
相手が個人的な問題を抱えている場合、無理に解決しようとせずに静観することで、相手が自分で解決するのを待つことができます。相手が問題を解決した後にサポートすることで、信頼関係を築くことができます。
6. 友人関係の観察
相手が他の友人とトラブルを抱えている場合、その状況を静観し、相手がその友人との関係を見直すのを待つことができます。相手がその友人との関係を整理した後に、自分がサポートすることで、信頼関係を築くことができます。
7. 相手の恋愛関係を見守る
相手が他の人と付き合っている場合、その関係が自然に終わるのを待つことができます。無理に介入せず、相手がその関係から学び、自分の気持ちに気づくのを待つことで、より自然な形で関係を築くことができます。
隔岸観火」の戦術 で冷静に。