恋と仕事 兵法三十六計 敵戦計5 李代桃僵を知る
兵法三十六計とは
中国の兵法書。
状況に応じた戦術を6つのバージョンに分け
勝戦計 : 自分が戦いの主導権を完全に握っている状況
敵戦計 : 自分が余裕を持って戦いを優勢に進められる状況
攻戦計 : 敵と五分五分か手ごわい状況
混戦計 : 敵が余裕を持って戦いを優勢に進められる状況
併戦計 : 戦いを進めながら外交努力も必要となる状況
敗戦計 : 敵が戦いの主導権を完全に握っている状況
各計ごとに6つの策があげられている。
李代桃僵
読み方
りだいとうきょう
書き下し文
李が桃の代わりに僵(たお)れる。
・李とは、すもものこと。
内容
故事
中国の戦国時代、斉の王が主催する競馬大会が開かれました。その時、将軍田忌(でんき)と斉王はそれぞれ三頭の馬(上・中・下)を持っていました。両者の持ち馬の実力は(上と上、中と中、下と下では)どちらも拮抗して勝敗が読めません
そこで孫臏(そんぴん)は田忌に対し、斉王の「上」の馬には田忌の「下」の馬を、「中」の馬には「上」の馬を、「下」の馬には「中」の馬を当てるように助言しました。果たせるかな田忌は最初のレースでこそ負けましたが、残る二つのレースで勝利し、トータル二勝一敗で勝利を収めました。
戦術的な意味
李代桃僵 は価値の高いものを守るために、価値の低いものを犠牲にする戦術です。
現代のビジネスでは
1. プロジェクト管理
重要なプロジェクトにリソースを集中: 複数のプロジェクトを同時に進行している場合、すべてのプロジェクトに均等にリソースを配分するのではなく、最も重要なプロジェクトに集中します。例えば、IT企業が新しいソフトウェアの開発と既存システムのメンテナンスを同時に行う場合、収益性の高い新しいソフトウェアの開発にリソースを集中させます。
2. 製品開発
有望なアイデアに集中: すべてのアイデアに均等にリソースを割くのではなく、最も有望なアイデアに集中します。例えば、テクノロジー企業が複数の新製品アイデアを持っている場合、市場調査やプロトタイプの評価を通じて最も成功の可能性が高いアイデアにリソースを集中させます。
3. 市場戦略
収益性の高い市場に集中: 新しい市場に進出する際、すべての市場に均等にリソースを投入するのではなく、最も収益性の高い市場に集中します。例えば、消費財メーカーがアジア市場に進出する際、全地域に均等に広告費を投入するのではなく、最も購買力の高い都市に集中してマーケティング活動を展開します。
4. マーケティング戦略
ターゲット市場に集中: 新製品のプロモーションにおいて、全ての市場に均等に広告費を投入するのではなく、最も効果が期待できるターゲット市場に集中して広告を展開します。
5. リスク管理
リスクの分散: 新しい市場に進出する際、最初に小規模なテストマーケットで試すことで、大きな損失を避けられます。これにより、失敗のリスクを最小限に抑えつつ、成功の可能性を探ります。
6. コスト管理
重要な部門にリソースを集中: コスト削減を図る際、全体のコストを均等に削減するのではなく、重要度の低い部門やプロジェクトを縮小または廃止し、重要な部門にリソースを集中させます。例えば、製造業の企業がコスト削減を行う際、古い設備の更新を見送り、新しい製品ラインの開発にリソースを集中させます。
7. コスト削減
不要なコストの削減: コスト削減を図る際、重要でない部門やプロジェクトを縮小または廃止し、重要な部門にリソースを集中させます。
8. 人材育成
将来のリーダーに投資: すべての従業員に均等にトレーニングを提供するのではなく、将来のリーダー候補に集中して投資します。例えば、リーダーシッププログラムを通じて、将来の幹部候補に特化したトレーニングを提供します。
9. 人材管理
重要なプロジェクトに優秀な人材を配置: 人材を管理する際、重要なプロジェクトや部門には最も優秀な人材を配置し、その他の部門には必要最低限の人材を配置します。
10. 競争戦略
競争優位の確保: 競合他社が強い分野では無理に対抗せず、自社の強みを活かせる分野に集中します。例えば、価格競争が激しい市場ではなく、品質やサービスで差別化できる市場に注力します。
ニッチ市場に集中: 競合他社が強い分野では無理に対抗せず、自社の強みを活かせるニッチ市場に集中します。
このように、「李代桃僵」の戦略は、現代のビジネスにおいても多くの場面で応用できます。
恋愛への応用
「李代桃僵」の戦略は、恋愛においても応用できます。
重要な関係に集中: すべての人間関係に均等に時間やエネルギーを費やすのではなく、最も大切な人との関係に集中します。例えば、友人や知人との関係を維持しつつも、恋人との時間を優先することで、関係を深めることができます。
リスクの分散: 新しい恋愛関係を始める際、最初は慎重に進めることで、大きな失敗を避けることができます。例えば、初めてのデートでは軽い話題から始め、相手の反応を見ながら関係を深めていくことが有効です。
競争優位の確保: 恋愛においても、自分の強みを活かすことが大切です。例えば、相手が求めているものを理解し、自分の得意な部分をアピールすることで、他のライバルよりも優位に立つことができます。
不要なコストの削減: 恋愛においても、無駄なエネルギーや時間を削減し、重要な部分に集中することが大切です。例えば、相手が興味を持たない話題や活動に時間を費やすのではなく、共通の趣味や関心事に集中することで、関係をより良くすることができます。
重要な関係に優秀な人材を配置: 恋愛においても、重要な関係には最も大切な人を優先します。例えば、友人や家族との関係を大切にしつつも、恋人との時間を優先することで、バランスの取れた関係を築くことができます。
このように、「李代桃僵」の戦略は、恋愛においても多くの場面で応用できます。