恋と仕事 兵法三十六計 敵戦計1 無中生有を知る
兵法三十六計とは
中国の兵法書。
状況に応じた戦術を6つのバージョンに分け
勝戦計 : 自分が戦いの主導権を完全に握っている状況
敵戦計 : 自分が余裕を持って戦いを優勢に進められる状況
攻戦計 : 敵と五分五分か手ごわい状況
混戦計 : 敵が余裕を持って戦いを優勢に進められる状況
併戦計 : 戦いを進めながら外交努力も必要となる状況
敗戦計 : 敵が戦いの主導権を完全に握っている状況
各計ごとに6つの策があげられている。
無中生有
読み方
むちゅうしょうゆう
書き下し文
無中に有を生ず。
内容
故事
三国時代、呉の孫堅は、劉表の支配下にある江夏城を攻略するために、周到な準備を行いました。
まず孫堅は連続して数日間、かがり火を焚いたほぼ無人の小船で襲撃を装いました。最初は火矢で応戦していた黄祖の軍でしたが、呉による連日の偽装攻撃に対し、黄祖の軍は次第に警戒心を失いました。
7日目の夜、黄祖の軍は再び小船の接近に気づきましたが、これを無視しました。しかし、この夜は実際に兵士が乗っており、孫堅の軍は一気に城を襲撃しました。 孫堅の軍は、黄祖の軍が油断している隙を突いて城内に侵入し、江夏城を攻め落としました。
戦術的な意味
無中生有 は敵の予測や注意をかいくぐり、空虚や欠点のある状況から有利な要素や戦力を生み出すことを目指します。敵の意表を突くためには、情報の操作や欺瞞が重要な戦術です。
現代ビジネスでは
1. プロジェクトマネジメント
プロジェクトの初めに、まだ具体的な成果物がない場合でも、試作品や見本を作ってクライアントや関係者に見せることで、プロジェクトをスムーズに進めることができます。これにより、関係者の期待を調整し、プロジェクトの方向性をはっきりさせることができます。
2. 競合分析と市場戦略
競合他社が新製品を発表する前に、自社が同じような製品を開発しているように見せることで、競合他社の動きを抑えることができます。これにより、競合他社がリソースを分散させたり、戦略を変更する可能性があります。
3. 製品開発とマーケティング
新製品の開発中に、まだ完成していない技術や製品をあたかも存在するかのように見せることで、競合他社の動きを抑えることができます。例えば、1990年代にマイクロソフトが実際には存在しない技術を持っているかのように見せて、競合他社を牽制しました。
4. 市場参入戦略
新しい市場に入るとき、まだ実際の製品やサービスがない段階で、あたかもすでに市場に存在しているかのように見せることで、競合他社の動きを遅らせることができます。これにより、実際の製品やサービスが完成するまでの時間を稼ぐことができます。
5. 資金調達
スタートアップ企業が資金を集めるとき、まだ実際の製品が完成していない段階で、試作品やコンセプトをあたかも実際の製品であるかのように見せることで、投資家の関心を引き、資金を集めることができます。
6. ブランドイメージの構築
新しいブランドイメージを作るとき、まだ実際の製品やサービスがない段階で、広告やプロモーションを通じてあたかも存在するかのように見せることで、消費者の期待を高めることができます。これにより、実際の製品やサービスがリリースされたときに、すでに高い関心を持たれている状態を作り出すことができます。
これらの戦略は、うまく使えば大きな効果を発揮しますが、倫理的な問題や信頼性の低下を招くリスクもあります。そのため、慎重に計画し、実行することが重要です。
恋愛への応用
恋愛への応用
- 自信を持って振る舞う: 実際には自信がなくても、自信満々であるかのように振る舞うことで、相手に魅力的に映ります。これは、相手に「自分は価値のある人間だ」と思わせるための戦略です。
- ミステリアスな一面を見せる: 自分の全てを一度に見せるのではなく、少しずつ相手に自分のことを知ってもらうことで、興味を引き続けます。これにより、相手は「もっと知りたい」と思うようになります。例えば、趣味や特技について少しずつ話すことで、相手に興味を持たせることができます。
- ポジティブな未来を描く: 一緒に過ごす未来についてポジティブなビジョンを共有することで、相手に安心感や期待感を与えます。これにより、相手との関係を強化します。例えば、「いつか一緒に旅行に行きたいね」といった未来の計画を話すことで、相手との関係を深めることができます。
- 自分の価値を高める演出: 実際には持っていないスキルや知識を持っているかのように見せることで、相手に対して自分の価値を高めることができます。例えば、特定の分野について詳しいふりをして会話をリードすることで、相手に「この人は知識が豊富だ」と思わせることができます。
- 小さな気配りを忘れない: 相手が気づかないような小さな気配りをすることで、特別な存在として認識されます。例えば、相手の好きな飲み物を覚えておいて、さりげなく用意するなどです。
これらの方法を実践することで、相手に対してより魅力的に映ることができるでしょう。